稲刈り編 その2 かえる書生、書生の仕事忘れる
稲刈りは朝露が乾くころから始めます。
まずは田んぼを見て歩きます
田んぼの縁から刈ります。
刈った稲はクロスにして置き、藁を使って一束にします
田んぼの中にはプラスチックやナイロンなど、化学的な合成製品はありません。
稲を束にするのは去年の稲藁で、刈った稲を干す「たつ」は山の木や竹、
たつを組むのは藁で綯(な)った縄です
束にした稲をたつにかけます
子供は広い場所があると必ず走る。走りながら笑う。
で、こける…。法則です
たいがい疲れて、時によろけながらたつに稲をかけていると
丁稚のかえるがシャツの裾をくいくいと引っ張り、声を潜める。
「書生さんですが…」
「?」
「稲刈りに夢中で、写真、撮ったはらへん」
「!」
姿を探せば、初めて鎌で稲を刈るのがおもしろいのか、
「農業体験ですね」となんともうれしそうで。
「体験、ですやろか…」
「そっとしとこ…」
そんなわけで、鎌で稲を刈っている肝心の写真はありません。
ちょっとは日に焼けて青白さが抜けるかしら?
続く…。