小豆もぎ(2013年10月13日)
昼間に現れる妖怪小豆もぎ
「むかしむかし、ひろぉい小豆畑の中に一人ぽつんと座って、ただただ、せっせっと、うつむいて、小豆をもぐ妖怪がおったそうな…」
「だぁれも顔を見たことがなく、もし目と目が合ったらその夜に命をおとすという言い伝えがあったそうな…」
「なので村人は、畑の中でうつむく小豆もぎを見たら、自分もうつむいて歩いたそうな…」
「たいてい、朝早い霧の中か、夕暮れの靄がかかる畑に現れるそうな…」
「小豆もぎは友達がいたんやろか」
「小豆洗いか、ぬりかべあたりかしらね」
「ここらへんでは見かけへん」
「どこらへんでも見かけないでしょ」
「妖怪も農作業も孤独やね」
なんて、勝手に物語を作り、あほなことを話しながら、
そのうち無口になる小豆もぎ(という作業)。
果てない。
莢ができ始めても、その莢が茶色になるころも、こげちゃ黒く乾いてきたというのに、黄色い花がぽっ、ぽっ、ぽっと咲くというばらつきがあり、ひと株を一回の「もぎ」で丸裸にするとはできません
丹波大納言小豆のなかでも黒さやと呼ばれる小豆は、
莢が焦げ茶黒くなればもぎりどき。
それでも、手のひらで包むようにそっと握り、
かさっ、かしゃっ、ぴきっという、からからに乾いた感触と音を確かめて、
もぎります。
1時間30分ほどでバケツいっぱい。
畝の4分の3ほど。
はかどらない。
莢と小豆
からからに乾いた莢は、さわるとはじけて豆が飛び出します。
なので、霧深い早朝、莢が湿気を帯びているときにもぎはじめます。
お天気がよい日は午前中が精一杯。
もぎとった莢はむしろに広げて天日で乾かします。
からっからっの感触でも、まだまだ莢は湿気を含んでいるからです。
莢から飛び出した豆は、陰に広げて風だけをあてて乾かします。
麦を唐箕(とうみ)にかけます
今年収穫した麦を唐箕にかけて、もみ、ごみなどを吹き飛ばします。
後は石臼で粉に碾くだけですが、石臼はあれど目立ての職人さんがいない!
いつになったらパンが焼けるのか。
前途多難。
今年は秋の後に夏きたるらし息絶え絶えの〜なので、体調が芳しくありません。
冬眠はまだ先でございます