奇跡の栗(2014年9月28日)
つやつやと輝き、ぷっくりとふくらんでいます
28日の夕暮れに栗畑を見に行きました。
彼岸の中日を過ぎた夕方の6時ごろは、景色がモノトーンに染まりはじめます。
その薄暮の中、稔りを迎えずに落ちる栗の毬を拾うために。
実がついても葉の数が足らないのでしょう。
毬は小さく青いまま、ぽとぽとと落ちます。
虫がついてはいけないと、毎週、落ちた毬を拾っていました。
この日もそのつもりでした。
一本の栗の木の足下に先週よりも大きな毬がころり。
ひとめ見て驚きました。
栗の実が、ちゃんと、できている…。
まだ木についている毬もぱくりと口を開けているものがあり、
のぞくと、栗の実が仲良く三つ並んで、今にも落ちそうです。
そういう毬が三つありました。
今年初めての栗収穫です。
6月に雹に遭い、花も葉も枝も落ち、
まだまだ若い幹には皮がえぐられたかのような傷跡が残り、
たとえ実がなっても、何個を手にすることができるだろうと。
毎週、栗畑に行き、手のひらを幹にあて、木を眺め、
誰もが、なにか声をかけたいと思いながら、
頑張れとも、強くなれとも、元気を出してとも、
どれもが違うように感じて言えず。
ありがとう…。
やっと、声をかけることができた丁稚は、そっと涙を拭っていました。