するつもりでなかった、田植え(2017年5月3日)
六条植えの田植え機がやってきた!
去年、稲刈りの頃に雨が続いて田んぼ乾かず。
ようやく天日干しの作業を終えたものの、雨が続き、米乾かず。
あたりまえですが米の具合もよくはなく。
なので、今年は例年より早めに植えてみようかと。
そして、今年また田んぼが一つ増えました。
「もう田んぼの守りはしんどくて」と所有する田んぼを人に委託し、最後に残った一枚をモンペが引き受けることになったのです。
そのご近所さんの木屋には乗用の田植え機があり、幸せなことに「使っていいよ」。
今までの歩行用の田植え機と植え方は同じなのですが、
田んぼのどこから植え始めて、どこを最後に植えて田んぼから出たらよいのか。
おさらいというかノートに田んぼ(四角形)を書いて念のために確認していたら---、
「この大型連休に田植えするの?」と近くの自称楽農家さんがお見えに。
「田んぼの中をね、苗を植えずに二周まわってね、三周目から植えるの」
「簡単、簡単。どんな田んぼにでもあてはまるんです」
で、田植え当日に見に来てくださることにもなったのですが。
その夜のこと。
「明日、わたしが植えます。7時30分スタートね」
かくして、5月3日の7時15分。
六条植えの田植え機がやってきたのでした。
苗を植えずに畦に沿って二周回ります
ついて歩けないほど早い
トラクター並みの大きさです
向こうまで植えたら最後の折り返し
この一筋を植えたらおしまい。一反少々の田んぼの田植えが30分ほどで終わりました
あっという間とはこのことか
田植え機を押して歩いていた去年までは2,3時間かかっていました。
見渡す限り田んぼという東北の米どころなら十条植えでもやってられない、かもしれません。
モンペのあたりでは一枚の田んぼがどこまでも限りなく続いているわけではないので、
六条植えの田植え機を見るのも初めてでした。
「これからはね、ラクに楽しく農業をすることにしたの」と笑う楽農家さんは、
村のあちこちのお家の田んぼの守りをしていらっしゃいます。
田んぼを維持していかなきゃという思いがあります。
楽農家さんのことを篤農家と言う人もいます。
新明解で調べたら『熱心で研究的な農業家』とありました。
六条植えの田植え機はこの先、あちこちで見ることはあっても、
篤農家に出会える機会はそれほどあるようには思えません。
この恵まれた環境に心から感謝します。
名残の桜(2017年4月23日)
あちこちの桜が散りはじめる頃、池の端の桜が咲きます
肌寒い春も汗ばむ春も、桜の開花日が早くても遅くても、
ほかの桜が散りはじめるころ、ひそっと遅くに花を咲かせるのが池の端の桜です。
そして、たけのこが現れました。
作っているのではないので地面はびしっと固く。
なので、これくらい頭が出てもやわらかいのです。
掘るのは大変ですが。
大型連休の間はガスの消費量が跳ね上がります
俳句では「たけのこ」は夏の季語。
--歯が抜けて筍堅く烏賊こはし--
正岡子規の句です。
たけのこ、も、好きだったんだ。
残念な思い、ややわかります。
--土の中から世の中へ突き刺しているたけのこ(ここで区切っていいのかわかりませんが)--と書いたのは河井寛次郎。
心にざくっと刺さる言葉です。
さて、次回は、いずれの心で掘りましょうか。
たけのこの味に変わりはありませんが。
春は遠くからけぷって来る(2017年4月9日)
村の鎮守の神さまの参道脇に咲く桜
もんぺの田んぼ近くで咲く桜
庭に咲くユキヤナギとスミレ
今年の春は「?」と思っていたら「!」という間にやってきました。
三尾山の山肌はコブシの白い花が点々と咲いて、春の輝き。
あちらこちらの桜も「待てしばし」なく一斉に咲き、水を張っている田んぼではカエルが鳴き始めました。
今年の春は「遠くからけぷってくる」というよりも、いきなり春色に染まりました。
そして、カエル店長もお目覚め。
栗畑で芋虫退治をしていたら「くれ」というように寄ってきて。
冬眠明けでおなか空いているのだろうな。
もちろん、食欲は旺盛です。
モンペの春の風景をお届けします(下段URL)。
2014年のブログの中を探しました。
桜咲く頃から田植えの頃までをまとめたものです。
今はまだ田植えに向けて田んぼの準備をしているところです。
http://kaeru-tencho.hatenablog.com/entry/2014/05/27/164300
イチョウウキゴケ現る(2017年4月2日)
田植えを前に田んぼを鋤きます
明渠に浮かぶイチョウウキゴケ。泥上げをした後なので水が濁っています
成熟して半円形よりも大きくなると二つに分かれます。そろそろ分裂
田植えを控え田んぼを鋤くのはもちろん、モンペの田んぼでは明渠の泥上げも必須。
春になって気温が上がると明渠にイチョウウキゴケが現れます。
以前は田面を覆うように漂っていたのですが、最近はアカウキクサなのかなぁ---に追いやられて明渠が落ち着き場所。
在来種のアカウキクサはアカウキクサ属の水性シダ植物です。
絶滅危惧種に指定され、保護の対象になっています。
対して、外来種のアメリカオオアカウキクサは駆除の対象です。
はびこり方が尋常でないように思います。
モンペでは、ひっくるめてアカウキクサ属の学名の「アゾラ」の名で呼んでいますが、専門的な調査でも見分けるのが困難だそうです。
この数年、春風とともにアゾラが広がる田んぼを見ると、なにかしら不穏な風が頬をなでて行くようです。
八幡田に落ちていた鹿の糞。今年も田んぼを網で囲わねば
梅が咲き、つくしも出ました
もうすぐ桜が満開になります
「神宿る島」宗像・沖ノ島 その2 ハブを食べる(2017年3月26日)
宗像大社中津宮は海のそばにあります。鳥居をくぐって石段を上ります
中津宮の本殿。海を隔てて九州本土にある辺津宮と向かい合っているそうです
階段の下方に見える鳥居が先ほどくぐった鳥居です
大島に渡る前々日、大島のことを調べていると「トウヘイ」なる魚の鍋がおいしいと。
トウヘイはウナギ科のクロアナゴで、秋から冬にかけて脂がのっておいしくなり、大島では昔から家庭料理として親しまれ、民宿や旅館では白味噌仕立ての鍋料理で出すと。
ところが、冬は漁があまりできなくて、事前予約必須!
大島観光案内所に尋ね、「とうへい」を出す民宿を教えていただいたのですが、
週末なのでどこも席(部屋)に空きがなく。
なんとかならんかと前日もあきらめずに、博多のホテルから観光案内所に相談すると、
昨日とは違う女性スタッフが教えてくださったのが三好屋旅館。
予約でいっぱいだったのですが、なんとかなりますと受けてくださいました。
そのとき女将さんは、トウヘイのことを「ハブ」とおっしゃって、何気なく、ホントにこちらは何も聞かないのに、現物はお見せできませんよぉ、と。
ハブぅぅぅぅ!
ハブの洗い
ハブの唐揚げ
白味噌仕立てのハブの紙鍋
おいしくいただきました。
(続く)
「神宿る島」宗像・沖ノ島 その1(2017年3月26日)
沖ノ島は玄界灘のほぼ真ん中、九州本土からは約60km離れた海に浮かびます
2017年の世界文化遺産登録を目指す候補に、福岡県の古代遺跡「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」が推薦されました。
構成資産リストには宗像大社沖津宮、宗像大社沖津宮遥拝所、宗像大社中津宮、宗像大社辺津宮と新原・奴山古墳群が並びます。
沖津宮は絶海の孤島沖ノ島に、沖津宮遥拝所と中津宮は大島に、そして辺津宮は九州本土にあります。
辺津宮と大島は海を隔てて11km、沖ノ島と大島は49km離れています。
3月下旬のある日、宗像大社を訪ねました。
天神の日銀前と神湊港(こうのみなとこう)渡船ターミナルをつなぐバス。7時50分発に乗りました
沖ノ島から出土した三角縁神獣鏡が神湊港渡船ターミナルのエントランスに。力強いデザインです
バスは8時58分に神湊港波止場(神湊港渡船ターミナル)着。連絡船は9時25分に出港。大島港ターミナルには9時50分に入港
大島港ターミナルから10時に出る無料観光バスに乗って島内めぐりへ。まずは沖津宮遥拝所へ
日露戦争の日本海海戦において、日本艦隊とロシアのバルチック艦隊はこの沖ノ島沖で激突しました
日本海海戦は沖ノ島のすぐそばで火蓋を切り、沖津宮の神官に仕えていた付き人は木に登って、海戦の始終を目撃したと伝わります。
『坂の上の雲』にあったような---とふと思い、司馬遼太郎氏もここに立ち、この風を感じ、この景色を眺めたのだろうなと。
彼のすごいところはそういうところなのだと改めて思いました。
(続く)