春の苦行 たけのこ掘り(2014年4月26日)
春のごちそうといえば、巷ではたけのこでしょう、か
「旬」という字に「たけかんむり」を付ければ「筍(たけのこ)」。
春の恵みを代表する食べ物です。
関西では京都の長岡京市がたけのこの特産地。
竹林の中の地面はふわふわ。
足の親指の腹で探るといわれるのもなるほどです。
なので、地面から大きく顔を出しているものはNG。
どんなに立派に見えてもかたいそうです。
でも、霧海の里ではたけのこは作物ではありません。
堅い地面を突き破って頭を出し、そこから横に太り始めるので、
少々背が伸びていてもやわらかい。
大小さまざまに収穫
霧海の里に限らず農村にはそれぞれの農家に「やや竹林」というか「ちょっと竹林かも」があります。
籠、笊、箕、竿、笠など、そして天日干しのときの「タツ」。
竹は身の回りのあらゆるものに利用されてきました。
改めて眺めると、これらの漢字が「たけかんむり」であることに気付きます。
また、木造建築においても竹に依存してきました。
かくかくしかじか、竹は農家の財産でもあるので手入れが欠かせません。
たけのこはあっという間に竹になり竹林が節操なく広がるからです。
大切であっても勝手な陣地拡大は困るので手を入れます。
それがたけのこ掘りです。
楽しい体験ではなく苦行です。
というのも「掘ったたけのこは食べる」ことでこの作業は終わるからです。
都の方々は目をむくかもしれません。
私も当初はぎょっ!としました
霧海の里ではたけのこは上品な扱いはされません。
朝はたけのこ主役のシーチキンサラダが、
昼は学校や職場でお弁当箱のふたを開ければたけのこご飯、
鰹節と絡めた土佐煮、タコ形のウインナーにも寄り添って、
たけのこ色一色の景色。ウインナーの赤に、ほっ。
夕方、甘辛く煮たものを天ぷらにと思っているところに、
「たけのこ、炊いてんけどぉ」とご近所から…。
これが連日。
わかめと合わせた「わかたけ」に木の芽をぽんとはたいて…、
なんてことしていたら大鍋数個のたけのこは減りもせず。
というわけでこんな(写真の)メニューも登場。
ついでながらこの時期のガス代は結構かかるのです。