今年も小豆もぎ(2014年10月20日)
今年の小豆の播種量は去年の半分とはいえ、地道な作業に変わりはなく
「小豆といえば北海道!」「十勝大納言小豆!!」
と、思っていらっしゃる方が多いように感じます。
モンペトクワに黒豆の枝豆の収穫体験にお見えになるご婦人の方々も、
「えっ、ほかにあんの?」
「……」(丁稚)
本日20日、三年続けて収穫に来てくださったぼけラーズのみなさまも、
一年目はそう思っていらっしゃる方が多々。
黒豆の枝豆の収穫時期と小豆もぎの時期が重なるので、
否が応でも莚や笊に干している小豆の莢をご覧になり、「これ、なに?」。
「じつは…」と、おそるおそるご説明申し上げる次第であります。
「この地は"丹波大納言小豆"発祥の地でございまして…」
その歴史はかくかくしかじかと。
みなさん、あまり耳を傾けられることもなく。
「つまりはおいしいわけね」
「欲しい!」
「……」(丁稚)
残念ながらモンペトクワで作っている小豆は売れません。
丹波大納言小豆のなかでもここでしかとれない希少種の「黒さや」だからです。
行き先が決まっています。
同じ一つの株どころか、同じ茎に稔る莢でさえ、熟す早さが違います。
豆が十分に熟した莢は黒く、燻し銀のような光沢があります。
莢を振るとかさこそと小豆が揺れる音がします。
小豆もぎの作業は黒い莢だけを選り分けてもぎます
大きな笊や筵に広げて「お日さん」にあてます。
小豆の莢は、この季節特有の早朝の霧に濡れて湿り気を帯びています。
小豆もぎはその湿り気が莢に残っている間にします。
黒い莢はよく乾いていて、もぐとはぜて中の小豆がこぼれるからです。
もいだらその湿気を払い、豆の水分を飛ばすために天日で干します。
(詳しくは2013年10月25日のブログを参照ください)
「黒さや」は、豆が熟してくるとさやの色が黒くなります。
日の光を受けていぶし銀のような光沢を放ちます。
それが「黒さや」と呼ばれる事の由来。
豆の色は濃く、形は四角で、味にはこくがあります。
この地で細々と守られてきた黒さやを絶やすことなく受け継ぎ、
次の世代に申し送るために「黒さやの会」が結ばれ、
賛同する20軒ほどの農家が栽培に取り組んでいます。
「幻の小豆」を幻ではなく、そう尽力されている方の存在は、
この地にとって、誇りです。
黒さやの歴史、黒さやや加工品のおみやげの購入・食事に関しては、
次のサイトをご覧ください。
http://www.mame.or.jp/library/pdf_z/050/MJ050-11-MS.pdf(ご注意:PDFです)
http://tamba.sc/blog/2014/03/03/あずき工房柳田/
十勝大納言小豆と丹波大納言小豆の違いは次のサイトに説明があります。
http://www.sajo-towson.jp/susume/dt_9.html
黒さやの地にある「あずき工房 柳田」でのランチ。
ここを訪ねれば黒さやのすべてがわかります