霧海の里
モンペトクワが深い霧に包まれる季節になりました。
白い霧は光も音も遮ります。
8時を過ぎて、景色はようやく色を帯びはじめます。(11月6日8時20分撮影)
夜の帳がおり、微細な水滴がけむりのように立ちこめて地面を覆いはじめると、
月の光も音も、すうっと吸い込まれるように消えてゆきます。
太陽が昇れば光が水滴に反射してあたりは真っ白。
まるで顔をオブラートでふわりとくるまれたかのように、
目の前の景色との間に違和感が漂います。
ここが北アルプスの前穂の稜線なら、
ホワイトアウトで動けないよな、恐ろし、というような深い霧です。
霧が薄れて太陽がうすぼんやり
地域特有の霧は、この時期に稔りを迎える黒豆や、
くろさやと呼ばれる丹波大納言小豆をしっとりと濡らします
朝の散歩が日課のご婦人。
霧の中から音もなく、ひょっこりと現れて、ぎょっ。
足音も話し声も聞こえません。
霧が発生する日はたいてい晴れます。
雲散霧消。
物事が一気に消えてなくなればいいなぁ…、
と思うことありますよね、番頭さん。